特集「ふくいに生きる。ふくいで活きる。」(2018年8月)

2018.08.27【特集】何度転んでも諦めない。 起き上がるから、光が見える。~後編~

*前編はこちらから「【特集】何度転んでも諦めない。 起き上がるから、光が見える。~前編~」

 

――前回はオカフェ。設立の経緯まで伺っていました。カフェの物件を紹介されたんですね。

 

はい。結局その物件とは違うところに決めましたが、具体的に紹介されたことで、私自身が「自分の夢を叶えよう」と決意したのが大きかったです。

 

 

――なるほど。実際にお店を始めてからは、どうですか、順調ですか。

 

はい、おかげさまで!私はとにかくお客様に恵まれていると思います。

 

一人で切り盛りしていて、料理もお菓子作りもサービスも私だけですから、お待ち頂くこともありますし、不定休でそれなりに休みも多いためご迷惑をおかけしている面はあると思います。

 

それでも皆さま、SNSで開店している日を調べて足を運んでくださるので、本当に感謝です。

 

あと、なんでも一人でやることで、いいことも悪いことも全部自己責任だと思えるのはとても気持ちいいですね。お客様に喜んでもらえたときは本当に嬉しいし、強いやりがいを感じます。

 

――反応が全部ダイレクトに感じられる働き方が、ご自身にも合っていたのかもしれませんね。これからお店をこんな風に発展させたい、という展望はありますか?

 

大きな野望はないのですが、いろんな国に行くのが好きなので、旅先で出会った素敵なものや美味しい味を少しずつ取り入れながら、新しく変わっていく部分と変わらない部分をどちらも大切にしていきたいですね。

 

あと、いろんな国の人が集まって、交流できるような雰囲気のお店にもしていきたいなと。

 

オカフェ。という場所が、人と人との架け橋になれたら最高だなと思っています。

 

 

――素敵ですね。そういうお店があると、そこからどんどん縁が広がって、その街での暮らしそのものに魅力が出てきますね。最後に、女性たちに向けて何かメッセージをお願いできますか。いつもは「福井の女性たちに」と聞くのですが、今回はもう、話が大きかったので、女性全般で(笑)

 

今日、いろいろお話しながら自分の人生を振り返っていたのですが……思えば、これまで無駄な抵抗を力づくでしたこともたくさんあったものの、大抵うまくいかなかったなと。

 

流れに身を任せたほうがうまくいくことが多かったように思います。

 

それは、ただ周りに合わせるという意味じゃないんです。自分で「やる」と決めたら、あとは淡々と、力を抜いて、日々少しずつでいいからやり続ける。

 

そういうことが大事なのかなと感じています。

あと、過去にあったつらいことも楽しいことも、すべては今につながっているので、今起きている良いことにも悪いことにもちゃんと感謝して、起きた出来事の意味を平等に受け入れたいなと思って生きています。

 

なかなか難しいときもありますが……(笑)。

 

でもそういう心がけが、結局は、自分と自分の人生を肯定することになるのかなと思えるんです。

 

女性へのメッセージというか、自分が人生から学んだこと、みたいになっていますね(笑)。まとまらなくてすみません。

 

――とんでもないです。私が今日、岡本さんとお話して抱いた印象は、瑞々しい、ですね。自分の心に正直に生きて、挑戦を続けている人だからこそ、こんなにもイキイキとされているんだなと思います。そして、いろんな苦難を乗り越えて、自分の意志で夢への道を切り拓かれたお話は、

多くの人の勇気になると思います。本日は貴重なお話をありがとうございました!

 

(取材・執筆 吉田郁)

 

 

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2018.08.21【特集】何度転んでも諦めない。 起き上がるから、光が見える。~前編~

 

――岡本さんが経営されているカフェの「オカフェ。」ですが、「おしゃれで美味しい隠れ家カフェ」と福井で話題になっていますね。

本日はぜひ、どんな経緯で「オカフェ。」を始められたかなどをお聞きしたいのですが、岡本さんは「オカフェ。」を始められる前も調理の仕事に就かれていたのですか?

 

はい。20代で東京に出て8年ほど住み、東京の和食料理店で働いていました。

 

――東京にいらっしゃったんですね。何がきっかけで福井に戻られたのでしょうか?やはり最初から、自分のお店を持つなら福井で……とお考えだったのでしょうか。

 

ちょっと言いづらいのですが、当時、結婚を考えてお付き合いしていた人とお別れすることになってしまいまして。

 

――えっ。

 

相手も料理人だったので、いつか一緒にお店を持ちたいという夢があったんですが、それも一旦リセット。

 

この先、私はどこで何をやって生きていったらいいんだろう、と、一時期わからなくなってしまったのです。

 

 

――そんな出来事があったら……そうなりますよね。よくぞ立ち直られて。

 

でも、その時改めて、いつか家庭を持って子供を育てるなら自然が豊かなところがいいな、ということも考えて。

 

「今が福井に帰るタイミングかもしれない」と感じたのです。

 

地元の友達も「戻っておいでよ!」と強く言ってくれたので、帰ってきました。

 

――うーん、私も同様の状況ならそうするかもしれません。でもじゃあ、「ここで店を持とう!」みたいな、夢キラキラな状態で戻ってきたわけではないんですね。

 

そうです、そうです。

で、戻ってしばらくは、スイーツを作っては友達や親戚にあげ、集まりがあれば作って行って配っていました。

 

そしたらみんなに「お店やったらいいのに!」と言われて。いつしかそれが私の夢になりました。

 

 

 

――身近な人に喜んでもらえたり、さらにそう言ってもらえたりするのはすごく力になりますよね。じゃあそこからオカフェへの道が始まるのですか。

 

いや、まだちょっと時間がかかるんですよ。

 

実はその頃、足の調子が悪くて、びっこを引いて歩く感じになってしまい、最終的に股関節の大手術をすることに。

 

その後しばらくは寝たきりで、リハビリ生活を送っていました。

 

――そうだったんですか。それは確かに、夢を追うどころじゃない……。しかも若くて、同世代は元気にやっているときに、自分だけ動けないというのは余計に気持ちもしんどくなりますよね。大変でしたね。

 

そうですね、あの頃は大変だったかも。

 

さらに、それが回復してきたかなという頃に父の癌がわかり、母とともに父の介護にあたりました。

 

父は闘病の末に亡くなってしまったのですが、その後は父の経営していた鐵工所を守るために働かなくてはならず、自分の好きな道に進むということはまったく考えられない状況だったんです。

 

――……なんというか、うまく言葉が見つからないのですが、人生って苦しいことが重なるときは本当に重なってしまいますね……。

 

でも、最終的に妹が鐵工所を継ぎたいと言ってくれたんです。

 

「お姉ちゃんは好きな道に進みなよ」って。

 

――妹さん……!

 

まあ、当時また、結婚する予定だった人とまた破談になるという事件があり、「先が見えない」状況に陥るわけですが……そこまで来るともう、「自分のやりたいことをやって生きる!できない言い訳はしない!」という決意ができたんですよね。

 

さらに、そのタイミングで「ともみちゃんカフェやりたかったよね?こんな場所があるんだけど……」と物件情報をくれた人がいて。

 

 

――すごい、決意したら道が拓けてきたんですね!

 

はい、人生が動き出しました。

 

なんだか結局、私の人生のターニングポイントって、いつも恋愛なんですね(笑)。

 

――それはもう女性としては非常に共感できるものがあります。失恋にせよ成就にせよ、恋愛って自分の価値観や人生を変えるくらいのエネルギーを持っていますよね。さて、オカフェのお話に至る前に、壮絶な人生のお話を聞いてしまい、尺が足りないので、カフェ設立以降の話は後編に回します!(笑)

 

後編に続く

(取材・執筆 吉田郁)

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