特集「ふくいに生きる。ふくいで活きる。」(2018年4月)

2018.04.26【特集】福井発、世界で輝くデザインは、母娘をつなぐ庭から生まれた。

 

 

――上木さんは、テーブルコーディネートとフラワーデザインの教室をされていて、最近では新宿や上海の百貨店でテーブルウェア展の装飾を任され、越前焼や越前漆器、越前和紙といった伝統工芸品を使ったコーディネートが大変好評だったとお聞きしました。まさに福井発、世界でご活躍されている好事例だと思います。

 

ありがとうございます。上海では特に、日本のものをとても良いものと思っていただいているのを肌で感じ、改めて伝統工芸の良さを感じました。

 

【上海高島屋のコーディネート(越前の伝統工芸使用)】

 

――上木さんご自身は、どのような経緯でテーブルコーディネートやフラワーデザインの世界に入られたのでしょうか。

 

もともと全然違う仕事をしていたのですが、このままでいいのだろうかという気持ちがありまして。それで一念発起し、貯金を崩して東京のフローリスト専門学校に通ったんです。卒業後も花屋で働いたりホテルの装花をしたりと、3年くらい東京で経験を積み、その後福井に戻りました。

 

――それまでの仕事を辞めてまでやりたいことが、どうしてお花関係だったのでしょう?

 

幼少期の記憶の中に、常に母の庭があったのです。もともと母が大の花好きで、自宅の庭にはたくさんの木や園芸、花が植えられていました。そのような環境で育ち、いつも植物に触れていたから、花の世界が自然と自分に馴染んだのだと思います。タイミング的に母がFLOWER LIBERTYを設立したのもその頃でしたので、私自身もお花の奥深い世界に目を開かれ始めていたのかもしれませんね。

 

――とても素敵なお話ですね。お母様の恵美子さんも、フラワーデザインやテーブルコーディネートの世界で大変ご活躍です。2016年にはお二人がデザインしたテーブルコーディネートが全国大会で2,000作品以上の中から最優秀賞と東京都知事賞をW受賞したとか。感無量だったのではないでしょうか。

 

そうですね、とても感激しました。でもそれ以上に感動したのは、今年生徒さんたちと共同制作した作品が、同じ大会で審査員特別賞を受賞したことです。教室に熱心に通ってくださる生徒さんと素晴らしい時間を共有し、結果を残せたことは、言葉にならないくらいうれしいことでした。福井の伝統工芸品の魅力を全国にアピールする機会でもありましたしね。

【2016年お母様とコラボし全国で最優秀賞を受賞した作品】

 

――生徒さんたちも本当にうれしかったことでしょうね。最後に、福井の女性たちにメッセージをお願いします。

 

福井の女性は本当に忙しく暮らされています。でもその家庭の中に、花一輪でいいのです。自分の手で食卓に花を一輪生けることで、見る者が癒され、心が豊かになります。そんなちょっとしたゆとりの持ち方や、花で遊び心を表現する方法をこれからも広く伝えていけたらと思っております。

 

――お母様の庭から紡ぎ始めた夢が、生徒さんを巻き込み、幸せを拡げ、いつしか世界に発信できる魅力に育っていく。なんだか一本の映画を観るようです。今日は本当にありがとうございました。

 

【5年前に鯖江に移転したフラワーリバティ。庭を見ながらレッスンをしたいという夢を実現させた。庭の小屋で、レッスン後のティータイムを楽しむこともできる。】

 

 

取材・執筆 吉田 郁

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2018.04.26【特集】地域と歩み、垣根を越える。 地元密着釣り道具店・二代目の挑戦。(前編)

 

――平内さんは釣り道具店で働かれているとのことですが、女性で釣りの仕事というのはなかなか珍しいですよね。

 

実はここは両親が経営しているお店なんです。だから私にとっては家業でして、これから正式に継いでいくところなんですよね。とはいえ最初から継ぐ予定があったわけではなく、私は京都の短大を出てそのまま3年ほど京都で働いていました。しかし、両親が店を移転して大きくするタイミングで、「手伝ってほしい」と。悩みましたが、学生時代も社会人時代も自由にさせてもらったという思いはありましたし、また女性でも家業を継いでいる人は身近にたくさんいましたから、腹を決めて福井に戻ってきました。

 

――なるほど、家業だったのですね。それでしたら、小さい頃から釣りのご経験はあったのでしょうか?

 

いえ、全然(笑)。店に入ってから始めました。基本的にお客様のほうが上手なので、いろんなお客様と一緒に釣りに行っては教えてもらっています。自分が女性であるため、懐に飛び込んでなんでも教えてもらいやすいという点で得しているかもしれませんね。今ではお客様が私の休日に合わせて休みをとって、一緒に釣りに行ってくださったりします。

 

――お客様のほうが休みを合わせてくれるんですか!(笑)それはすごいですね。

 

店主催で釣りの大会をするときにも、お客様が運営を手伝ってくれるんですよ。それに、どこで何が釣れたという情報もたくさんくださいます。釣りは生きた情報が命です。「今週はどこで何が釣れた」という情報を集めて、ホームページやメールマガジンに載せ、タイムリーな発信を心がけています。ほかにも、「この地域では、この色のルアーだとよく釣れる」という情報をもとに釣り具メーカーに働きかけて、当店オリジナルカラーのルアーを製作・販売したりもします。

 

――そうやって店員とお客様のコミュニケーションからビジネスが広がっていく。店頭販売という形態ならではの面白さですね。

 

後編につづく

 

取材・執筆 吉田 郁

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2018.04.26【特集】地域と歩み、垣根を越える。 地元密着釣り道具店・二代目の挑戦。(後編)

前編はこちらから

 

――平内さんがお店に入ってから、新たに始めた取り組みなどはありますか?

 

釣りは男性の趣味、という世間一般のイメージを変えるべく、女性やファミリー層にも興味を持ってもらえるような取り組みを始めています。その一環として、業界の垣根を越えたコラボ企画を実施し、さまざまな角度から釣りの魅力を発信しています。たとえば昨年秋に実施したのは、宿泊業をされている方とコラボしての「釣り女子会」。釣り場に現地集合し、みんなでワイワイ楽しく釣って、その魚を自分たちでさばいてランチにして食べる。釣りの道具はすべてうちから貸し出し、魚をさばく場所はコラボ相手の方が所有されている施設を使いました。とても盛り上がりましたよ!

 

――楽しそうですね!釣りもそうですが、「魚をさばくのが初めて」という人もいらっしゃったのでは?

 

そうなんです。だから、さばき方を教えてくれる人にも来てもらいました。そうやってみんなで一緒に体験することで、釣りの楽しさや、釣ったばかりの魚の美味しさを知ってもらい、釣りを好きになってもらえたらうれしいですね。

 

――最後に、福井県で働いている女性たちに、メッセージをお願いします。

 

女性と一緒に釣りに行くと、集中力の高さにびっくりします。特に福井は女性の就業率が高く、結果的にいくつもの役割をこなしている頑張り屋さんが多いように思います。そんなパワフルな女性たちが、裏で誰かを支えるばかりでなく、表にもどんどん出てきて、自分らしく活躍していってくれたらなと思います!

 

――平内さんの、自分の置かれた状況から自分らしく前向きに仕事を広げて行かれる姿は、きっと福井の女性たちにパワーを与えてくれると思います。今日は本当にありがとうございました!

 

取材・執筆 吉田 郁

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2018.04.09【特集】母親としてのひたむきな日々が、 職業人の道を拓いた。

――最初の質問からすみません。白崎さんは、三人のお子さんを育てながら働かれているんですよね。しかも、サロンを開業したのは三人目を産んでから……。ものすごいバイタリティだと思います。女性の就業率が全国一位の福井県でも、なかなか驚異的なことなのではないでしょうか。

 

「頑張っているね」と声をかけていただけることは確かにありますね(笑)。でも私の場合は逆に、子育てをしていなければ開業に踏み切っていなかったと思うんですよ。

 

――と、言いますと……?

 

結婚前までもエステの仕事はしていたのですが、結婚を機に専業主婦になり、子育てに専念していました。それが、子育ての苦労を分かち合うママ友たちと「産後太りが治らないの」「骨盤の歪みがひどくなっちゃって……」「肩こり腰痛がひどい!」「育児が大変で寝不足だし、お手入れする時間もないから、お肌がカサカサ……」なんて話を頻繁にするようになって。それで、こんなに頑張っているママ友たちをなんとか楽にしてあげたいと思ったのが、エステに加えて整体とカイロの資格をとって自分の店を持とうと思ったきっかけでした。そんな経緯なので、もし開業するなら子連れ可の店にしようというのも最初から決めていたことでした。

 

――なるほど。ママ友たちを助けてあげたい、というのが動機だったのですね。ご自身も自分の子育てで大変だったでしょうに、周囲の苦労に目を向けられるのが本当にすごいと思います。では今のお客様のメインはママ層になるのでしょうか?

 

いえ、そんなこともなく、4歳から84歳まで幅広くお越しいただいています。

 

――4歳?!

 

背骨や骨盤を整えて、体の歪みを直していくのが基本なので、姿勢を良くするという目的でお子さんを通わせてくださる親御さんもいらっしゃるんです。「子供の姿勢が良くなった!」と喜んでくださるとうれしいですね。ボディだけでなく、ヘッドの歪みを整えれば顔が立体的に見えてスッキリし、小顔になります。また筋肉を緩め方や、ストレッチのアドバイスもさせていただいているので、巡りが良くなって冷えにくくなるなどの効果もあります。本当に年齢を問わず、「きれいになりたい」「歪みを直して痛みをとりたい」と願われている皆さまに喜んでもらえると思いますよ。

 

――内側から整えていくのが良いことに、年齢は関係ありませんもんね。最後に、福井で働いている女性たちに、メッセージをお願いします。

 

福井の女性は本当に頑張り屋だなあといつも思います。だからこそ、リラックスの時間も大切にして、自分をたくさん褒めてあげて、これからもますます輝いてほしいです。ちょっと息抜きしたくなったらぜひ当店に癒されに来てくださいね。当店はこれから痩身や美肌エステのメニューも充実させていく予定なので、楽しみにしていてください!

 

――エステや整体の技術が高いだけでなく、働く女性の気持ちを一番親身になって聞いてくれるのが、まさにワーママとして働いている白崎さんなのかもしれませんね。心までほぐされそうです。本日はありがとうございました!

 

 

「2017年には他のサロンの先生と連携して、小学校4校で”良い姿勢教室”を実施。好評を得た。」

 

取材・執筆 吉田 郁

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2018.04.08【特集】作家じゃない。作品じゃない。 -異色の壁画仕掛け人、DAISUKEの生き方-【後編】


――それにしても、無償で絵を描き続けるのは大変な苦労があると思います。その原動力はどこから来るのでしょうか。

 

今は壊されてしまいましたが、以前、ガレリアスポットという場所に、ボブマーリーの大きな壁画を描きました。あの絵は市から多少の助成金をもらって描いたものだったのですが、その絵をすごく気に入ってくれた人がいて、「つらいことがあると、夜通しこの絵の前で過ごすんですよ」と言ってくれたのです。自分の絵が誰かの心の拠り所になっていると知り、感銘を受けました。そういう「誰かのためになった」実感の一つ一つが、絵を描き続ける理由になっています。

――今描いている絵も、いずれ壊されてしまうのが残念ですね。

 

いや、いいんですよ、壊されても。私自身は、自分を作家だと思っていません。描いた絵を作品だとも思っていません。そういうお堅いものではなく、子供が通学するような道に面白い絵があること、私が描いている姿そのものを「見せて」いくことが大事だと思っています。そこから人と人との交流が生まれるのが目的なんです。それがストリートにこだわる理由です。

 

――それは、きれいなビルをたくさん建てるような再開発とはまったく違う視点での活性化ですね。

 

そうですね。自分のやっていることは、街に疑問をぶつけてみることなのかなと思っています。先日、絵の前で写真を撮った高校生たちが、写真を撮ったらすぐに表通りに戻っていってしまうので、「あっちの裏通り、行ったことある?いろんなお店があるんだよ」と声をかけてみたのです。すると「えっ、お店があるんですか!あっちの道は怖いイメージがあるから行ったことなかったです」と。ショックでしたよ、道1本向こうに広がっている自分たちの街を、知らずに避けているなんて。どうすればみんなにもっと街歩きを楽しんでもらえるか、導線を作っていけるのか。最近はいつもそればかり考えています。それにインスタ映えもそのうち飽きられるでしょうし、インスタ映えの次に何が流行るだろうかというのもいつも考えていますね。

 

――街にとってはDAISUKEさんのような方がいるのはとても心強く感じます。一方で、最近の一連の壁画が無償であるというのは、やはり生活の心配もしてしまいます……。

 

普段はちゃんとお金をもらって描いていますよ(笑)。あ、それと私、土木の仕事をしていたので除雪機を動かせるんです。今年は昔いた会社から応援要請がたくさん入って、除雪ばかりしていました。豪雪で大変でしたが、仕事にはなったかな。

 

――除雪!そっちでも街のヒーローだったのですね!北陸民を代表して御礼申し上げます。今日は本当にありがとうございました。

 

 

 

取材・執筆  吉田 郁
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