こんにちは。八百屋テクテクです。
ちょっと時期外れにはなりますが、
よくニュースなどで取り上げられていることですが、台風になるたびに田んぼの様子を見に行き、事故に巻き込まれる農家さんを毎年聞きます。
ここだけの話ですが、私の知っている稲作農家さんは、台風の日には必ず田んぼに行きます。
いやむしろ、私は台風の日に田んぼの様子を見に行かない稲作農家さんを知りません。
さんざん注意をしているのに、なぜわざわざ危険を冒してまで…と一般の方はお思いでしょう。
でも、これは別に、農家さんが災害を軽視しているというわけではないのです。
農作物は、生き物なのです。
素人の私たちでは判断がつきませんが、農家さんには、稲がお腹をすかしている、とか、暑がっている寒がっている、とかがはっきりわかるんです。
稲は、農家さんからすれば、子供のようなものです。
なので、台風の日など天候が変化した日には、様子が気になって、居てもたってもいられなくなるのです。
私たちは、仮に子供が台風の日に外で泣いていたら、危険だとわかっていても、助けにいっちゃいますよね。
自分の身を危険に晒してでも、我が子を助けたい。そんな心情でいるのです。
福井米を代表する品種といえばコシヒカリですが、コシヒカリは背が高いのが特徴です。
背が高い上に、実入りがいいので頭が重く、稲がゆらゆらと不安定な状態のまま、収穫まで耐えなければなりません。
そんな状態で台風を迎えたら、どうなるでしょう。
ただでさえようやく立っているという状態の稲穂に、強い風の力が吹き付ける。当然、なぎ倒されてしまうのです。
秋の収穫直前の田んぼを見たことのある方は知っているかもしれませんが、ところどころ稲が倒れて、ミステリーサークルのようになっている箇所があります。あれはUFOの仕業ではなく、台風などの強い風の仕業なのです。
完全に倒れた稲穂は、基本的には復活しません。
稲は自分の体制を立て直すのにエネルギーを割くようになるので、頭についた米は未熟なままになります。
未熟な米粒が混ざれば、品質が悪い米になっちゃいます。
これをできる限り防ぐために、稲にちゃんとご飯(栄養)を食べさせて、しっかり成長させ、余計なストレスを与えない…。そういう繊細な生育が大事になってくるのです。
コシヒカリというのは、とても難しい品種なのです。
でもすごく美味しい品種なので、農家さんはこういった苦労をして、大事に大事に育てているのです。
いかがでしたでしょうか?
今回はコシヒカリを例にしてみましたが、農産物にかける農家さんの想いは、みんな同じです。
目の前にある野菜は、誰かが愛情をかけて作ってくれたと思えると、とても美味しく感じますよね。
こういう農家さんの想いを伝えていくことが、八百屋テクテクの使命だと思っています。