どうも。八百屋テクテクです。
「良薬口に苦し」ということわざをご存知でしょうか。
苦い薬ほどよく効く、という意味です。
ひいては、耳に痛い忠告ほど、自分のためになる、という意味として使われています。
しかし、美味しい薬があって、さらにそれが自分の身体のためになるのでしたら、
絶対そっちのほうがいいですよね!
という、本来言わんとしている意味からすると、なにやら梯子を外してしまうような話ですが、
とにかく、身体によく効く、美味しい「良薬」を、今回はご紹介したいと思います。
★人参……強い抗酸化力! カロテンの語源となった野菜!
人参といえば、カロテンですね。
カロテンは、英語のキャロットが語源なのだそうです。
カロテンは色素であり、強い抗酸化作用を持ちます。
また、色鮮やかであればあるほど、その効果が高くなるのです。
えっ。抗酸化作用って何なのか、ですって?
活性酸素っていう物質があります。
人間の体内で生成される物質で、ウイルスや菌をやっつけてくれる作用があるのですが、
この活性酸素、紫外線や喫煙、生活習慣の乱れなどで、ぶわっと増殖してしまうんです。
増えすぎるとどうなるのか。なんと、正常な細胞まで攻撃しはじめてしまうのです。
そこで活躍するのが、この抗酸化物質であるカロテンです。
カロテンは、増えすぎた活性酸素を抑制してくれるのです。
実は、野菜の体内でも、同じような現象が起きているのです。
野菜も自分の身体を守るために、ウイルスや細菌など、害になるものを感知すると、
ぶわーっと活性酸素を出して身を守ります。
しかし、活性酸素も毒ですので、出しっぱなしにしておくと自分の身体を壊してしまいます。
そこで活躍するのが、カロテンなどの抗酸化作用のある物質なのです。
カロテンは、自分の身を守るために身に着けた、植物の防御方法なのです。
このカロテンを美味しくいただくことで、私たちもまた、身を守ることができるというわけです。
にんじんはもちろん、かぼちゃ、モロヘイヤ、ほうれん草、さつまいもなど、様々な野菜に含まれています。
★にんにく……免疫力向上! アリシンの語源となった野菜!
アリシンは、にんにくの学名アリウムからとってつけられた物質で、
免疫力向上、殺菌効果、血液サラサラと、強力な効果があります。
にんにくは身体にいい、と昔から言われていますが、それはこのアリシンの効果だったんですね。
同時に、にんにくの強烈な匂いも、アリシンのせいです。
つまり、にんにくの香りがより強まるすりおろしが、
よりアリシンの力を強めてくれる調理方法なんですね。
このアリシンですが、たまねぎや白ねぎなどに含まれる硫化アリルという成分が、
空気に触れることでも出現してくれます。
水に弱いので、刻み葱や新玉ねぎなど、水にさらさなくても生で食べられるものは、生で食べてみましょう。
★ごぼう……食物繊維といえばこれ! 2種類の食物繊維を持つ!
食物繊維には、不溶性と水溶性があります。
腸の中を綺麗にしてくれ、老廃物を流してくれる効果があるのは、不溶性のほうです。
よく聞く食物繊維の効果といえば、不溶性のほうです。
腸の中が綺麗になると、代謝が上がるので、美容や健康、ダイエットに効果があります。
美容や健康、ダイエットのためには、食物繊維を多くとって、
常に腸の中を綺麗にしておく必要があるわけですね。
ただし、不溶性ばかりに傾いてしまうと、便が硬くなりがちです。
そこで活躍するのが、水溶性の食物繊維です。
この食物繊維は水を含んで、便を柔らかくしてくれる効果があります。
便が硬くなることによる便秘の方には、必要な栄養素です。
身体にとってどちらも必要不可欠な栄養素ですが、
その両方を多く含んでいるのが、ごぼうというわけなのです。
いかがでしたでしょうか?
もちろん、今回紹介した野菜以外にも、身体にとって有効な成分をもつものがたくさんあります。
野菜の栄養素は、それこそ、書き出したらキリがないほどです。
ミネラルやビタミンは、身体にとって必要不可欠な栄養素です。
しかしながら、ナトリウムなど、過剰に摂取してしまうと身体に悪影響を及ぼす栄養素もあります。
良かれと思って摂取したサプリメントが、ビタミンやミネラルの過剰摂取を招いてしまった……
なんて話もたびたび聞きます。
野菜や果物は、その点、身体に必要な栄養素をまんべんなくとることができ、
過剰な栄養素は外に流れ出てしまいます。
また、食物繊維やファイトケミカルなど、
サプリメントだけでは補うのが難しいものも、野菜には含まれています。
長い間、人間とともに生きてきただけあって、人間の身体に非常に適した食べ物であり、「良薬」なのです。