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【特集】花の魅力を映し宿す、 めくるめく布花の世界

プロフィール

田中咲子(marumero mashulo主宰 兼 布花デザイナー)

坂井市出身。幼少期から絵を描くことが好きで、服飾の専門学校に進学。卒業後はいったんデザインとは無関係の派遣社員として勤務するが、一貫してデザインの仕事への転職を希望しつづけ、派遣会社の社長の紹介で服飾品の生地制作をおこなう会社の企画職に転職。その後は仕事と並行して個人での布花制作を続け、布花作品の販売店marumero mashuloを立ち上げる。

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――冒頭から大変不勉強であったことを告白いたしますと、わたくしこれまで、こうした布でできた花を非常に大雑把に「造花」という呼び名で呼んでおりまして、布花というとても美しい名前があることも今回初めて知りました。今日はそんな美しい布花を多数デザインし制作されている田中さんにお話を伺います。marumero mashuloのサイトでたくさんの作品を見せていただいたのですが、どれもこれも繊細で可愛くて、夢の世界でした……。あと、大手メーカーで量産されているようなコサージュやヘッドドレスでは見たことがないような花も表現されていて。印象的だったのは、オレンジ色のポピー。ポピーの花の飾りなんて、ほかで見たことがなかったんですが、あの花弁の薄さとかバルーンスカートみたいな形とか、ものすごくリアルで。私ポピー好きなんで、わーこれは、ちゃんとポピーを好きな人が作ってる!って思っちゃいました(笑)。

 

ありがとうございます。布花は、花が魅力的に見えるその瞬間を表現してとどめおくことができるので、自分の好きな花がある人はなおさら子細に観察して楽しめますよね。

 

 

――服飾の専門学校を出られているということですが、在学当時から布花に特別な魅力を感じていらっしゃったのでしょうか?

 

いえ、専門学校を卒業した直後くらいですね。きっかけは、丹南の素材を使ってファッションショーをしてほしいという依頼でした。「これを服に使ってほしい」と指定された素材に無地のものが多かったんです。その素材の良いところを生かしつつも、なんとかもう少し見る人の印象に残る方法を探していた時に、ふと「服に合うような大輪のお花を髪飾りにしたらどうだろう?」と思いつきました。本物の花ではなく、布花であれば自分で染めてつくれるので、服の色にぴったり合う花の色合いを探ることも可能だなと。

 

 

――服に合う色をゼロから作る……。今さらっと仰いましたけど、だいぶ大変であり、創造性を求められる作業ですね。

 

そう、「染め」が一番大変です。赤ひとつとっても、染料の重ね方でどんな赤になるかはまったく違ってきますから。さらに素材との掛け合わせで、フレッシュな花に見せることもできれば、ドライフラワーのように見せることもできる。「ギリギリまで本物に似せる」という方向もあるし、逆に「実際の花には存在しない造形美を創り出す」方向に進むこともできます。

 

――ほぼ無限と言ってもいいくらい……。

 

はい、布花の表現の幅は、相当広いと思います。ヘッドドレスなんかは、つける人の頭の形に合わせることができたりするので、生花のヘッドドレスに比べて機能性も高いと思います。

 

 

――そんな魅力的な布花ですが、今、田中さんはmarumero mashuloを立ち上げて、布花関連のお仕事だけに専念されているんですよね。

 

はい。それまでやっていたデザインの仕事も楽しかったので、両立し続けるつもりだったのですが……。仕事と家事育児、睡眠時間を削っての布花制作が知らぬ間に身体の負担になっていたらしく、ある日会社に向かう途中で倒れてしまって。

 

――なんと……。それはご家族も心配なさったでしょう。でも、そこまでやる気持ちもわからなくはないというか、好きなこと=心の栄養を求めたからこそ頑張っていた結果だったんですよね……。

 

そうですね。でもそれ以来、布花業一本に絞ろうと決意しました。

 

――心身に余裕を生むだけでなく、覚悟が決まるタイミングだったのかもしれないですね。田中さんは、これから挑戦してみたいことって何かありますか?

 

もともと布花を仕事にするのが夢だったので、ある意味その夢はもう叶ったといっても過言ではありません。これからの目標は、もっと布花の魅力を広げていくことですね。3年前に、とあるご縁で香港に行かせていただき、現地で布花のレッスンやデモンストレーションに参加させていただいたんです。それ以来、毎年香港でレッスンをさせていただいており、生徒さんの成長を見るのも楽しみです。そんな風に、良いご縁をどんどん外につないでいけたらと思います。そして、良いご縁やチャンスが訪れた時に、応じられる自分でありたいので、日々コツコツと勉強しようと思っています。

 

 

――田中さんのお話を聞いて、Luck is a matter of preparation meeting opportunity.(準備万端の人にチャンスが訪れることを幸運と呼ぶ)という名言を思い出しました。日々の努力がベースにあるから、ふと機会が訪れた時にちゃんとそれを掴むことができて、人生が動いていくんだなと。私はこの特集でいろんな女性を取材させていただいていますが、田中さんも含め、みんな向上心がすごいんですよね。誰に何を言われなくても努力している。

 

そうですね。福井の女性は働き者だと思います。そして、いい意味で保守的というか。でももっと元気に、もっと自由に、もっといっぱい遊びながら生きて学んでもいいと思います!私もそうありたい!


――遊びから得られるものも相当ありますしね!ちなみに田中さんの遊びとは?

 

ジムでZUMBAを楽しんだり、子供たちの興味のあることを一緒に楽しんだり、ですね。手仕事にはまったく関係ないことを楽しんでいます。ZUMBAも、踊ることであがり症を克服できて、布花の講座をするときに役立っている気がします。表現力もつきますし。

 

――すべてが勉強になるんですね。さて、田中さんの主宰するmarumero mashuloの展示会が11月に開催されます。ふだんはネットでしか見られない作品を一気に見ることのできるチャンスです。この記事を読んで気になった方は、ぜひ足を運んでみてください!それでは今日はありがとうございました。

 

ありがとうございました!

 

 

【marumero mashulo展示会情報】

とき 2019年11月2日~3日

時間 10:00~17:00(3日は16:30まで)

場所 アーバンデザインセンター坂井

  (福井県坂井市三国町南本町3丁目6-51)

 

 

(取材・執筆 吉田郁)

 

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