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【特集】チアで笑顔と元気を届けたい!福井から再び、新たな夢へ

プロフィール

一般社団法人チアドリームプロジェクト

2020年4月設立。チアダンス全米大会で優勝9回を誇り、映画「チア☆ダン」のモデルにもなった県立福井商業高校チアリーダー部「JETS」の卒業生らでメンバー構成される団体。代表理事には、顧問の五十嵐 裕子さんが就任。「チアで福井をもっと笑顔に」との思いを胸に、イベントの企画や出演、子供たちへのチアダンス指導など、福井県内を拠点に活動している。現在、メンバーは6名。今後さらに仲間を増やしていく予定。

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—–本日は、設立からちょうど1年を迎えた「チアドリームプロジェクト」の久保田 真唯さん(チアスピリッツリーダー)と、片岡 美優さん(パフォーマンスリーダー)にお話を伺います。余談ですが、私「チア☆ダン」の映画が大好きで(笑)全米大会制覇までの道のりにとても感動しました。お二人はJETS時代にも先輩・後輩として同じステージに立ち、全米大会での優勝を経験されたんですよね。卒業後はそれぞれの進路を歩んでこられたお二人ですが、今回共に「チアドリームプロジェクト」の立ち上げを決意したきっかけは何だったのでしょうか?

 

 

久保田さん:私は高校卒業後、関西の大学に進学し、大学に通いながらチアダンスの社会人チームに所属していました。福井に帰郷してからも、チアダンスのインストラクターをしながら、自分も踊ることを続けてきました。そんな中で、やっぱり自分はチアダンスが好きで、チアダンスをもっと多くの方々に知ってほしいという気持ちがあることを改めて実感して。また、JETS時代からたくさんの方々に応援していただき、それを何かカタチにして恩返しをしたいとずっと考えていたので、五十嵐先生からの「チアドリームプロジェクト」立ち上げのお話に、「やります!」とすぐお返事させていただきました。

チアドリームプロジェクト

《写真左:久保田 真唯さん 写真右:片岡 美優さん》

 

—–JETS卒業後も、ずっとチアダンスを続けてこられたのですね。このような法人化された団体で、チアダンスを仕事として活動するのはまだ少ないケースなのですよね?

 

 

久保田さん:そうですね。福井ではもちろん全国的にみても少なくて。インストラクターとしてチアダンスに関わる人も多いですが、私たちはやっぱり踊る方がメインなので。踊る側でチアダンスを仕事にしている人はとても少ないですね。だからこそ、チアダンスを仕事にできる「チアドリームプロジェクト」にとても魅力を感じました。

 

 

片岡さん:私はJETS時代にキャプテンを務めていて、先生からも卒業後はチアダンスのある大学への進学を勧められていました。けれど、チアダンスで食べていくには、東京や大阪といった都会に行かなければならない。例え上京しても、チアダンスの世界で成功を収められるのは、ほんの一握り……という、とても過酷な現実があることを知っていたので、高校卒業後は看護師を目指して県内の大学に進学しました。ただ、チアダンスは好きだし、ずっと続けていきたいと思っていたので、卒業生のOGチームを立ち上げ、仕事しながら踊りを続けていました。

チアドリームプロジェクト

 

片岡さん:ちょうど看護師2年目のとき、担当していた患者さんからある一言を言われたんです。「あなたはまだ若いんだから、1度きりの人生を悔いのないように生きなさい。」と。その患者さんは、私がチアをしていることも知らなかったですし、他愛もない会話の中で言われた一言でしたが、私の心にはその言葉が深く刺さって……。ちょうどその頃ですね、五十嵐先生から「チアドリームプロジェクト」のお話を頂いたのは。

 

 

—--なんてベストタイミング!患者さんからの言葉が、片岡さんの背中を押してくれたのですね。

 

 

片岡さん:患者さんからの言葉が、本当にやりたいことは何かを改めて考えるきっかけになりましたね。やっぱり私はチアダンスが好きだし、自分が踊ることで多くの方々が笑顔になってもらえたら、こんなに幸せなことは他にないって。そうして、勤務先の病院にも私の想いを全てお話しました。病院の方々は、私の想いをしっかり汲み取ってくださり、昨年1年間は病院の勤務を半日にして午後からチアダンスの仕事をするといった変則的な働き方を許可していただきました。周りの方々の支えや理解があってこそ、今の自分があると実感しています。だからこそ、チアダンスを通じて、たくさんの方に恩返をしたいですし、みなさんが前向きに進む一歩となってくれたらいいなと思っています。

チアドリームプロジェクト

 

—–普段は、どれくらいのペースで練習をされているのですか?コロナ禍での影響もありましたか?

 

 

久保田さん:全員で集まって練習できるのは、だいたい週1~2日くらい。それ以外の日は、それぞれ仕事の合間を見つけて個人練習に励むという感じです。ちょうど去年の春頃、発足当時はコロナの影響でなかなか集まることができなかったので、オンラインツールを使って自宅からリモートで踊りを合わせるなど、工夫をして練習していました。

 

 

—–なるほど。リモートでの練習を取り入れるなど、試行錯誤しながら活動されていたのですね。これまで約1年ほど活動をされてきて、「ここが大変だったな」と感じたことってありますか?

 

 

久保田さん:それこそJETSの頃は、朝練して夕練して、それ以外の時間は授業を受けて……という、みんな同じ場所で決まったリズムを刻みながら生活をしていました。けれど私たちも大人になり、それぞれの生活や仕事がある中で、みんなが一緒に集まれる時間をつくることが一番難しいなと感じています。そのため、どうしてもメンバー間でのバラツキが生まれるというか。チームとして向かっていく目標やモチベーションはメンバー同士揃えておくべきだと思いますが、その揃え方というか、モチベーション維持の面で、JETS時代と比べて難しいなと実感しています。

 

 

—–確かに、JETS時代との圧倒的な違いって、メンバーのみなさんの生活スタイルが全然違うところ。共有できる時間も限られている中で、同じモチベーションで目標に突き進むために、何かチームで工夫されていることはあるのでしょうか?

 

 

片岡さん:はい、あります。まず1つは「チアドリームプロジェクト」の目標を書いた行動指針があるので、それを毎朝読んでから仕事をするように心がけています。もう1つは、JETS時代からずっと続けているのですが、「夢ノート」という個人の目標や夢を書き込むノートを実践しています。自分はどんな風になりたいのか、「チアドリームプロジェクト」でどんなことに挑戦したいのかなど、メンバー全員がそれぞれイメージしながら更新していくことで、みんなが同じ方向を向き、モチベーションを高め合っていけるよう工夫しています。

 

 

—–映画「チア☆ダン」でも登場した夢ノートですね!自分の夢を文字に起こすことで潜在意識を刺激し、思考を目標達成に向けてコントロールする方法で、メディアでも話題になりましたよね。卒業した後も「夢ノート」をみなさん書き続けているのですね!

 

 

片岡さん:そうなんです。今も定期的にノートを見返して、「お、これ達成してる♪」ってシールを貼っています(笑)

チアドリームプロジェクト公演

 

—–「チアドリームプロジェクト」の活動をする中で、一番のやりがいを教えて下さい。

 

 

久保田さん:昨年はコロナの影響でイベントがなかなか開催できない状況でしたが、2回の公演をさせていただき、やっぱりステージに立てることの喜びや、人前で踊れることの達成感をより感じることができました。見に来てくださった方々の、とても笑顔で楽しそうにしている様子を見て、本当に嬉しくて仕方がなくて。見てくれる方々がいるからこそ私たちも活動することができるので、たくさんの方々に応援していただけることが、一番のやりがいに繋がっています。

 

 

片岡さん:私もステージ上でのことが大きくて。会場にわざわざ足を運んで見に来てくださるお客様と一緒に、チアダンスを通して楽しい時間を共有できることがこんなにも幸せなんだと……コロナ禍を経験したからこそ、より実感できました。今度は、今私たちが体験している喜びを、これからチアリーダーとして活動していく後輩たちにも感じてもらえるよう、自分たちがもっと活動の場を広げて、後輩たちにもどんどん活躍してもらえるよう頑張っていきたいなと思います。

 

 

—–コロナになって改めて気付かされた、チアダンスへの想いがあったのですね。「チアドリームプロジェクト」のみなさんが活動の基盤を築き上げてくれることで、これから後に続くチアリーダーの子たちの道も開けますし、また新たな夢を持つきっかけにもなりますね。

 

—–お二人にとって、「チアドリームプロジェクト」の強みって何だと思いますか?

 

 

片岡さん:ただチアダンスを踊るのではなくて、多くの方々に夢を持つことの大切さや夢に向かって歩む方法など、JETS卒業生だからこそ伝えられることがあると思っています。チアダンス以外の部分で私たちが学んできたことの大切さって、大人になっても決して変わらないと思うので、多くの方々にその大切さを伝えていけるのが、私たちの一番の強みだと感じています。

 

 

久保田さん:私たち「チアドリームプロジェクト」は、アメリカの舞台で踊って優勝し、みんなで夢を叶えるという経験を踏んできたメンバーが揃っています。だからこそ、私たちにしか話せないことや伝えられないことがあると思っているので、これが一番の強みですね。

 

 

—–なるほど。JETSで学んできたことや全米大会制覇の経験は、唯一無二のものですし、「チアドリームプロジェクト」の大きな魅力ですよね。やっぱり全米大会での雰囲気って日本とは違いますか?

 

久保田さん:そうですね。日本とは違う、アメリカ人のノリというか……会場の雰囲気には胸にグッとくるものがありますね。

 

 

片岡さん:全米大会でとても印象的だったのが、私たちのチームが優勝を決めた瞬間、他のアメリカのチームからも「コングラッチュレーション!」と笑顔で祝福をいただけたことです。勝敗に関わらず応援し合うチアリーダーとしての立ち振舞いを、アメリカのチアリーダーの方々から教えていただきました。

 

チアドリームプロジェクト

 

—–「チアドリームプロジェクト」のこれからの目標や、挑戦したい夢を教えて下さい。

 

 

久保田さん「福井をチアの街に」という設立当時からの目標を達成してきたいです。また応援していただいた多くの方々にも恩返しをしていきたいですね。最近では、チアダンスを習う子ども「チアっ子」も増えているので、もっと身近でチアダンスに触れる機会も増やしていけたらいいなと思っています。福井での北陸新幹線開業も近づいているので、不安定な世の中ですが福井から元気と笑顔をいろんなところに届けられるよう励んでいきたいです。

 

 

片岡さん:今はまだJETS卒業生が主体となって活動していますが、これからはもっとメンバーを増やしていきたいですし、福井だけではなく全国からチアリーダーが集まる組織にしていきたいと考えています。これまでは、チアダンスを仕事にする環境が整っていないために福井から都会へ出てしまう人が多かったですが、これからは逆に都会から福井に呼び込むくらいの勢いで、「チアドリームプロジェクト」を成長させていきたいなと思います。

 

 

—–とても頼もしい!!チアリーダーを目指す若者たちが、全国から福井に集まってくる未来を想像するとワクワクしちゃいますね。今後さらに「福井=チアの街」を根付かせて、福井を盛り上げていってほしいなと思います。

 

チアドリームプロジェクト

(※撮影時のみマスクを外しています)

 

—–ちなみに、普段から大切にしている習慣ってありますか?

 

 

片岡さん:人って日々生活をする中で、1日のうちに何度も「選択する」場面に遭遇しているらしく、私はどんな場面でもできるだけ自分にとってプラスになる選択ができるように心がけています。自分にとってプラスになる選択をどんどん積み重ねていくことで、必ず成長に繋がっていくと思うので。何か1つでも夢や目標があると、よりプラスになる選択を選びやすくなるのかなと思います。

 

 

—–なるほど。日々のちょっとしたことでも、自分のためになる選択を続けていくことで、いずれ大きな成果に変わっていくのですね。

 

 

久保田さん私は、常に「吸収すること」を心がけています。職業柄、アウトプットすることが多くなってしまいがちなので、自分が成長していくためにも、本を読んだり、様々な方との出会いで良いところを真似したり、幅広い分野でインプットすることを大切にしています。日々生活をする中でも、レッスンを受けている子供たちの成長する姿を見るだけでも刺激を受けますし、もちろん「チアドリームプロジェクト」のメンバーからもらう刺激や学びもあります。今のJETS現役メンバーから得る学びも多いです。自分ができることを、どんどん吸収しながら成長していきたいなと思いますね。

チアドリームプロジェクト

 

—–いろんな場面で刺激を受けながら、そこでの学びや経験がまたチアダンスにも活かされ、笑顔にも繋がっていくのだろうなと感じますね。最後に、福井の皆様にエールをお願いします。

 

 

久保田さん:こんな世の中なので、どうしても心が疲弊してしまうことがあるかもしれません。けれど、楽しいことって意外と日常にも転がっていると思うので、笑顔を忘れずに、挑戦することを諦めず、日々過ごしてもらえたらいいなと思います。もし元気がなくなったら、私たちのチアダンスを見て笑顔になってほしいなと思います。

 

 

片岡さん:私も笑顔ってとても大切だと感じていて。こんなときだからこそ、みんな笑顔で明るく過ごしていたら、いつか明るい未来が待っているんじゃないかなって思うのです。家族や友人、職場の仲間、みんな目が合うたびに笑顔で過ごせると、この困難を乗り越えられるんじゃないかって。だから、笑顔を絶やさずに前向きに過ごしていってほしいなと思います。

 

 

—–チアダンスの魅力は本当にたくさんありますが、やっぱり周りをパッと明るく元気な気持ちにしてくれる「笑顔」が最大の魅力だなと改めて感じました。これから「チアドリームプロジェクト」のみなさんが、福井から全国にチアの魅力を発信し、福井をチアの街として盛り上げていってくれることを楽しみにしています。そして、いつかプロ野球やプロサッカーのように、プロのチアリーダーを目指す子供たちがどんどん活躍していける未来を夢見て。本日は、とても素敵なお話をありがとうございました。

 

 

久保田さん片岡さん:ありがとうございました!

 

チアドリームプロジェクト

 

(取材・執筆 清水 千春)

 

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