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【特集】地域と歩み、垣根を越える。 地元密着釣り道具店・二代目の挑戦。(前編)

プロフィール

平内真澄(有限会社フィッシングポイント)

福井市出身。釣り業界では珍しい、女性の釣り道具店後継者。「趣味と仕事が同じ」と語り、ほとんどの休日を釣りに費やす。自分の体験をベースにした接客を大切にしている。

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――平内さんは釣り道具店で働かれているとのことですが、女性で釣りの仕事というのはなかなか珍しいですよね。

 

実はここは両親が経営しているお店なんです。だから私にとっては家業でして、これから正式に継いでいくところなんですよね。とはいえ最初から継ぐ予定があったわけではなく、私は京都の短大を出てそのまま3年ほど京都で働いていました。しかし、両親が店を移転して大きくするタイミングで、「手伝ってほしい」と。悩みましたが、学生時代も社会人時代も自由にさせてもらったという思いはありましたし、また女性でも家業を継いでいる人は身近にたくさんいましたから、腹を決めて福井に戻ってきました。

 

――なるほど、家業だったのですね。それでしたら、小さい頃から釣りのご経験はあったのでしょうか?

 

いえ、全然(笑)。店に入ってから始めました。基本的にお客様のほうが上手なので、いろんなお客様と一緒に釣りに行っては教えてもらっています。自分が女性であるため、懐に飛び込んでなんでも教えてもらいやすいという点で得しているかもしれませんね。今ではお客様が私の休日に合わせて休みをとって、一緒に釣りに行ってくださったりします。

 

――お客様のほうが休みを合わせてくれるんですか!(笑)それはすごいですね。

 

店主催で釣りの大会をするときにも、お客様が運営を手伝ってくれるんですよ。それに、どこで何が釣れたという情報もたくさんくださいます。釣りは生きた情報が命です。「今週はどこで何が釣れた」という情報を集めて、ホームページやメールマガジンに載せ、タイムリーな発信を心がけています。ほかにも、「この地域では、この色のルアーだとよく釣れる」という情報をもとに釣り具メーカーに働きかけて、当店オリジナルカラーのルアーを製作・販売したりもします。

 

――そうやって店員とお客様のコミュニケーションからビジネスが広がっていく。店頭販売という形態ならではの面白さですね。

 

後編につづく  

 

 

(取材・執筆  吉田 郁)

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