こんにちは。八百屋テクテクです。
今日は、野菜の名前に関するお話をしてみたいと思います。
みなさんは、金時人参って知っていますか?
正月料理に使う、赤いニンジンです。
「いやいや、ニンジンってみんな赤いでしょ??」
って思うじゃないですか。
そうなんですよね。野菜の色って、言葉で表現するのって結構大変です。
普通の人参はオレンジ色に近く、金時人参はこの写真のように、深紅に近い赤をしています。
金時人参は和人参ともいい、日本古来の人参といえば、こちらでした。
今出回っているオレンジ色の人参は、西洋人参といい、近代になって栽培が始まった人参です。
栽培のしやすさと、栄養価の高さ、美味しさが、どれも金時人参を上回っていたため、
金時人参、もとい和人参は、西洋人参にとってかわられたというわけです。
さて、この金時人参。
お客様から、こう言われたことがあります。
「金時人参というぐらいだから、金時イモや金時豆みたいに、甘いの?」と。
金時といって思い浮かぶのは、確かに金時イモや金時豆です。
そしてそれらが甘いので、金時人参もまた甘いんじゃないか、と連想するのも、
当然といえば当然ですよね。
でも、残念ながら、金時人参は甘くはありません。
甘くなくても、不良品ではありません。金時人参は、そういう食べ物なのです。
そもそも、金時って何でしょう?
それは、坂田金時という人の名前からきています。
坂田金時とは、金太郎さんのことです。
金太郎さんは顔が赤かったので、それにあやかって、赤い農産物には、
金時という名前を当てはめる風習があったようです。
金時豆、金時芋、金時人参、金時草(これは、きんじそう、と読みます)
どの野菜も、濃い赤色、もしくは紫色をしています。
色の正体は、アントシアニンやリコピンなど、抗酸化作用がある栄養で、
身体の調子を整えてくれます。
金太郎さんのような、丈夫な体を作ってくれるのに役立つ栄養素です。
みなさんも「金時」の名前がついた野菜を食べれば、大江山の鬼退治ができるぐらい、
強い身体が手に入るかもしれませんね。
金時人参の場合は、西洋人参のようなカロテン臭さがなく、
あっさりしていて食べやすいという長所があります。
また色が鮮やかなので、サラダに最適なのです。
個性を主張することがないので、全体のバランスを崩すことがなく、
また彩りと、食感で貢献してくれます。
また金時草は逆に、香りとクセが強い野菜です。
酢の物にしてきゅうりと一緒に頂くのが定番の食べ方ですが、ハーブとしてお肉に添えたり、
チーズを挟んでワインのおつまみにしたり、という使い方ができます。
長所は、短所に、短所は長所になりえます。
特徴を長所にする調理法で、野菜を活かしてみてくださいね!
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