みなさん、衛生管理は意識していますか?
このような時期ですから、いつにも増して気を付けていることだと思います。
マスクに消毒液、手洗い、うがい。
基本的なことですが、どれも身体の中にウイルスを入れないという点では、大変効果的です。
そのほかに、何か気を付けるべきことはあるでしょうか?
ウイルスを身体の中に入れないようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
今回は、そんな話をしていきたいと思います。
※あくまでも予防策であり、病気そのものに対する効果はありません。体調がすぐれない方はお医者さんを頼りましょう。
★カラフルな野菜を食べよう。
私たちが風邪をひいて体調を崩すのと同じように、野菜も風邪をひきます。
なぜなら、畑の土の中にも菌やウイルスがいて、植物の身体の中に侵入しようとしてくるからです。
でも元気な野菜は、菌やウイルスに対する抵抗力を持っています。
「活性酸素」が、その一つです。
植物は身体に異変を感じると、いっせいに活性酸素を放出します。
この活性酸素は毒性が強く、ウイルスや菌を退治しますが、しかしながら、同時に自分の細胞を傷つけてしまいます。
なので、野菜は、この活性酸素の活動を抑えるために、「抗酸化物質」を生成します。
トマトのリコピン、人参のカロテン、ブルーベリーのアントシアニンなど、野菜がもつカラフルな色素が、抗酸化物質です。
野菜がカラフルな理由の一つは、病気から身を守るためだったのですね。
「活性酸素」により菌やウイルスを退治し、「抗酸化物質」で自分の身体を守る。
これが植物のもつ免疫のメカニズムです。
毒をもって毒を制す、の優れた一例だと思います。
植物が自然とこれを行っているなんて、自然の神秘を見ているようですね。
人間もまた、体内に入り込んだ菌やウイルスに対抗するために、活性酸素をジャンジャン生成しています。ところが、人間は抗酸化物質に関しては自力で生成できません。
なので、この活性酸素が出すぎると、自分の正常な細胞をも破壊してしまいます。
その結果、身体が老化し、かえって抵抗力が低下してしまったりするのです。
またストレスや睡眠不足、喫煙などで、活性酸素を増やしてしまいます。
増えすぎた活性酸素は身体を攻撃し、弱ったところに、さらにウイルスの攻撃を受ける。これは、ひとたまりもありませんね。
そこで、野菜が持つカラフルさをいただくことで、人間は「活性酸素」と「抗酸化物質」のバランスをとることができるようになります。
菌やウイルスに強い身体を作るための方法の一つが、カラフルな野菜を食べることです。
紫、赤、橙、黄色、緑。野菜にはいろんな色があります。
ぜひこれを機会に、野菜の色に注目してみてくださいね。
★「エース」を狙え!
岡ひろみとお蝶婦人の、テニスのドラマの話のことではありません笑
ビタミンA、C、Eのことです。
特に風邪対策として意識してほしいのが、ビタミンCです。
「風邪にはビタミンCがいい」なんて話は、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
いや実は、ビタミンCが菌やウイルスを直接やっつけてくれるわけではありません。
菌やウイルスを直接やっつけるのは、赤血球などの免疫組織です。
免疫組織が最前線で戦う兵士だとするなら、ビタミンCは兵士にご飯を持ってくる輸送隊です。輸送隊を増やすことで、兵士を強化することができます。
逆に、輸送隊の数が少ないと、兵士はお腹を空かせて満足に働くことができません。
なので、ビタミンCの役割は、兵士に戦ってもらう上で、とっても重要な役割なのです。
また、ビタミンCと同時にとることで、効果が倍増するのが、ビタミンAとビタミンEです。
どちらも身体の抵抗力を高めてくれるのに役立つので、一緒にとりたい成分ですね。
ビタミンAは人参、カボチャ、ほうれん草などの野菜のほか、お肉や魚にも多く含まれています。
バランスのいい食事を心がけていれば、それほど意識しなくても摂取できます。
ビタミンCは、ブロッコリー、小松菜、キャベツ、じゃがいも、さつまいも、柑橘類などのフルーツなど、幅広い野菜と果物でとることができます。
ビタミンEは、木の実に多く含まれています。ゴマ、アボカドのほか、オリーブオイルにも。
これらをバランスよく食べることで、身体の免疫機能を強く保つことができるのです。
★キノコを食べよう。
キノコが身体に対してはたしてくれる役割は幅広く、ひとくちに言うのは難しいです。
風邪予防に大切な粘膜を作ってくれたり、ストレスを軽減してくれたり、腸を掃除してくれたり……。本当に幅広い役割を、キノコはこなしてくれます。
また、お肉に含まれる栄養素と野菜に含まれる栄養素が違うように、キノコもまた、含んでいる栄養素が肉や野菜と全く違います。
「お肉」「野菜」というくくりがあるとするなら、キノコは、キノコの菌糸が成長した、「キノコ」というくくりの食材なのです。
それがなぜ大事なのかというと「キノコと他のものと一緒に食べることで、より効率的に働く」からです。
栄養素というものは、それ単体では効果を活かしにくいものですが、いろんな栄養素を同時にとることで、効果が倍増します。
キノコの食べ方としては、お肉の付け合わせにしたり、炊き込みご飯にしたり、野菜炒めの中に入れたりと、だいたい何かと一緒に食べますよね。
栄養素的にも、とても理にかなった食べ方なのです。
ご飯を作るときは、ぜひキノコを意識して入れてみてください。栄養の幅が広がります。
いかがでしたでしょうか?
ここで言いたいのは「何か特定のものさえ食べていれば菌やウイルス対策になる」なんて都合のいいものはないということです。
身体の仕組みのことを考えたら、当然といえば当然ですよね。
でも「なんでもバランスよく食べることで、相乗効果で免疫力が倍増する」ということでもあります。
これもまた、身体の仕組みを考えると、納得できる話だと思います。
こういう時だからこそ、いつも通りの、バランスのいい美味しいご飯を食べる。
そういう習慣が、疫病から身を守る一つの方法なのだということです。