8月31日は、野菜の日です。
語呂合わせです(笑)
11月29日はいい肉の日、1月5日はいちごの日、5月8日はゴーヤの日、9月1日はキウイの日など、語呂合わせで命名され有名になった日がいくつかあります。
古いものですと、1月7日の朝に七草を食べる習慣も、語呂合わせからきているんです。
でも肉の日はともかく、青果物に関しては、その日にいい状態の野菜や果物をそろえるのは、とても難しいんですよね。
(農家さんは、年末年始はほとんどお休みでしょう…?1月5日のいちごって、いつ収穫されたいちごなんだろう…?)
(ゴーヤが美味しくなるのは、カーッと太陽が強くなる時期。5月はまだ苦いだけだなぁ…)
(国産のキウイがでてくるのは10月。寒くなってからだからなぁ。9月は外国産も品薄で高値。何を売ればいいんだろう??)
などと、ずっと思いながら過ごしていました。
8月31日の野菜の日も例外ではありません。
なんと、8月31日あたりは、あまり野菜が出回らなくなる時期と重なるんです。
(去年もそうでした。おととしも多分そうでした。)
暑い時期には農家さんもあまり野菜の苗を植えたがりません。
新芽は暑さに弱く、また虫も多いため食い荒らされてしまうからです。
また、涼しい時期に植えた苗は、夏の暑さを経てスクスク成長し、だいたいお盆前ぐらいに収穫されちゃいます。
つまり、お盆以降から秋口の涼しくなるまでの間は、野菜的には空白の期間になりやすいのです。
野菜の日にスーパーにいくと、地場野菜がほとんどなく、他産地のハウス栽培の野菜ばかりがズラリと並んでいる光景をよく目にします。
地野菜がなくなるので他産地から仕入れてこなければならず、当然高値がつきます。
それを野菜の日だからということで、スーパーは利益を薄くして泣く泣く売るわけです。
なかなか大変な行事です。
このように、単なる語呂合わせなので、時期が合わないのは当然のことかもしれません。
しかしながら、野菜にまつわる日において、ドンピシャに野菜が豊富な日がありました!
そう、日本を代表する歌人で福井県にも縁のある、俵万智先生の「サラダ記念日」です!
『「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日』
この、俵万智先生の代表作である歌集「サラダ記念日」において、そのタイトルになった歌が、この歌です。
つまり、俵万智先生の、ベストオブ代表作といえるでしょう!
俵万智先生がちょうどサラダを作りたかったのは、7月6日に、美味しいサラダになりうる、美味しい野菜が豊富に出そろっていたからでしょう。
確かにこの時期は、美味しい野菜が豊富にあるんです!
トマトも味が乗って抜群に美味しいし、パリッパリのきゅうりも手に入ります。
甘~いトウモロコシ、マメ、ナス、高原レタス、夏の新玉ねぎ…美味しい夏野菜がわんさか出てくる時期なんです!
さすが俵万智先生!観察眼がハンパないですね!!
…………
でも、この歌を作った俵万智先生が、どこかで仰っておりました。
「実はこれ、本当に『この味がいいね!』って言われた時に思いついた歌なんです。でも、その時の料理は実はサラダではなくカラアゲでした。だってカラアゲじゃ語感がイマイチですから…」
なんじゃそりゃ~~……
最後の砦だと思っていたサラダ記念日も、実はカラアゲ記念日だったなんて……泣
野菜の日にまつわる、トホホな話。
やはり野菜、果物は、暦の都合ではなく、その時期の旬の都合に従うのが正解かもしれませんね!