女性の生き方、事業を支援している街の法律家、行政書士の小川真紀です。
このお正月、九州の鹿児島に久々に帰省しました!
家族について色々考えさせられました。
幸せそうな若夫婦たち、子供達の声、一緒に年を重ねた2人、娘の帰省を暖かく迎える実家の親たち・・・
その間には「愛情」だけではなく目に見えない「法律」のつながりもあります。
今日は家族間の(経済的な)助け合いの決まりを見てみましょう。
民法は家族、親族の助け合いの義務を定めていますが、その程度は実はさまざまです。
例えば、夫婦や親子の間の助け合いの義務は結構、きびしいめです(生活保持義務、と言います)。
夫は妻に、妻は夫に、親は子供に、子供は親に、自分の生活のレベルを下げてでも助ける(扶養する)ことをしなくてはいけません。
つまり「自分がパンを確保して、あまったパンをあげる」ではいけないのです。
「少ないパンでも一緒に分ける」関係です。
そう思うと、結婚ってなかなかなものです。
これはもちろん、夫婦が離婚したって実の親子間ではずーっと続きます。
一方、夫婦や親子以外の親族については、余力があれば助けてください。
という少し緩めの義務になります(生活扶助義務、と言います)。
「自分が食べるパンがあり、それが余っていればあげる」で良いのです。
そうそう、女性が嫁いで家を出ても、実家の親とはやっぱり「少ないパンでも一緒に分ける」という関係が続きます。
では、夫の親とは・・・
実は、夫の親には法律上は、普通は経済的に助ける義務はありません。
特別な事情(例えば、夫が亡くなって夫の兄弟等がおらず、夫が亡くなる前に自分の両親の経済的援助を見込んで妻に遺産を残したなど)があって、家庭裁判所が「義務あり」と決定した場合以外は。
(この「義務あり」と決済されるわずかな可能性を0にする方法として、夫が亡くなった後に夫の親族と関係を終了させるための通称「死後離婚」なるものが一時話題になりました。でもどちらかと言えば気持ち的な問題と思われます。)
ということで同様に、義親もお嫁さんに経済的援助をする義務はないんです。
ん~でもね。なんかモヤモヤする人もいるんじゃないでしょうか。
結局、人と人との間は法律で決まっていることより、多くは気持ちです。
(法律は道徳の最低限、とも言います)。
私、やっぱり実家の親は大事かな~ってことで、今年は10年ぶりの実家でのお正月でした。
でも、義父に鹿児島のお菓子、夫には夫の好物の鹿児島ラーメン、きちんと買って帰りました。
どちらの親もやっぱり大切です。
お互い40代で結婚した夫との縁も、このまま大切にしたい。
また今年も一年、家族親族、私につながる、そして、つながることになるかもしれない方々が、幸せに過ごせますように。